DELTA TALK Vol.2 – 石川祐樹(CAPRE DIEMディレクター)×亘つぐみ(スタイリスト)

リーボックのブランドアイデンティティでもある、「メンタル」「ソーシャル」「フィジカル」の3要素=デルタ。それらを体現している多彩なゲストが語る対談シリーズ「DELTA TALK」。

第二回目の今回は、コレクションからメディア、CMまで幅広く活躍するスタイリスト・亘つぐみさんと、リーボックがサポートするブラジリアン柔術道場「CARPE DIEM」のディレクター・石川祐樹が登場。

柔術やトレーニングが学ばせてくれるモノ、そして社会の最前線で活躍する彼らが互いに得るインスピレーションとは?貴重な対談が実現しました。

「柔術」との出会いは衝撃的。今まで培ってきたものが通じなかった(石川)

お二人には柔術という共通項がありますが、お二人の柔術との出会いを教えてください。

石川僕の場合は今から約20年前、出会いはアメリカでした。長い間空手を習っていたので、アメリカ留学中も機会があれば練習したいと思っていました。ある日、道着を着ずにできる柔術の練習に参加させてもらったのですが、びっくりするぐらいコテンパンに、子供みたいに負けてしまったんです。本当に無力、何もできなかった。空手で培ってきた打撃が通じない。空手は打撃だけですが、その打撃を無力化する寝技の格闘技、柔術。こんな格闘技があるんだと衝撃を受けました。

一晩考えて「心が柔術をやりたがっている」と翌日から練習を始めたのですが、まるで初恋のような出会い。今でもあの時の衝撃は忘れられません。

私が柔術を知ったのも約20年前、写真家ブルース・ウェーバーが撮影した写真集がきっかけでした。今でも有名で素敵なブックで、当時もファッション業界で話題になったんですが、その中に、柔術の世界チャンピオン、ヒクソン・グレイシーなどが登場しているんです。

その後ご縁があってヒクソン・グレイシーから柔術に対する想いをいろいろと伺う機会があったのですが、「柔術の練習以外は、朝のヨガだけ。精神を鎮めることが柔術にはとても大切なことなんだ」と話してくださったのがとても印象に残っています。世界チャンピオンは過酷なトレーニングをたくさんしているんだろうなと思っていたので、びっくりしました。

柔術を習い始めたのは最近です。主人が石川さんから柔術の指導を受けていたこと、このカルペディエム広尾でレディースクラスが始まったことがきっかけです。最初は、見た目が地味、無言で床に擦り付け合う寝技中心の柔術、その面白さがわからなかったんです(笑)。でも始めたらとても楽しくて、魅力にはまってしまいました。

石川僕は柔術に出会ってから仕事も生活も大きく変わり、柔術が中心になりました。今は7つあるカルペディエム道場の運営に携わっているのですが、生活で柔術以外のことは考えられないですね。

石川祐樹

ブラジリアン柔術道場CARPE DIEMディレクター。1998年、アリゾナ州立大学で運動生理学を学ぶと同時にブラジリアン柔術を始め、学位を取得後帰国。2007年に黒帯を取得し、2008年IBJJFアジア選手権黒帯フェザー級2位、2010年全日本選手権アダルト黒帯フェザー級優勝。2013年、CARPE DIEMを設立。

昨日より強い自分になりたい。その想いがトレーニングの原動力(石川)

生徒の皆さんは、どんな想いでトレーニングされているのでしょうか?

石川「昨日より強い自分になりたい」という、シンプルな想いです。皆さん、昨日より強い方が良い、綺麗でいたい、元気でいたいなど、「昨日より今日」という想いで取り組まれているのですが、その想いには大きな価値があると思っています。誰もが持っているこれらの願望は、トレーニングすることで叶えられる。だから続けられるんですよね。
また柔術は、自分との向き合い方を変えられる、内面を鍛えることができるスポーツです。見たくない自分の姿や隠している自分に気づき、それを受け入れ、向き合えるようになります。

そういう意味で柔術ってすごくフラットだから、きれいごとを装えない世界なんです。変なプライドがある人は、続けられないと思いますね。無心になれるところもあるし、ものすごく頭も使う。メンタルはとても実直に鍛えられますね。

石川そうですね。あの時のあの態度は良くなかったなと反省したり、ふと心が乱れたりする瞬間があってもその乱れに気づき、受け入れられるようになっていきます。
道場には弁護士、ドクター、経営者、学生、フリーターなど、いろいろ人が集まるのですが、マットの上では年齢もキャリアも関係なく対等で、それぞれが“今の自分”“と向き合い、そしてお互いを認め合う。この関係性はとても心地よいですね。

トレーニングは趣味からライフへ。生活になくてはならない存在(亘)

亘さんにとってトレーニングは、仕事にどのような影響を与えていますか?

私は仕事が大好きで、寝る前や運転中も仕事のことが頭から離れません。でも、トレーニングをしている時だけは仕事を忘れて無心になれるんです。気持ちも切り替わって、とてもリフレッシュできますね。夜更かしをしてお酒を吞むのも楽しいのですが、結果的に身体にマイナスなことが多い。でも、トレーニングは違います。その時は苦しくても、肉体的にも精神的にも強くなれる。身体が引き締まると肌の調子も良くなって、若く元気でいられる気がしますしね。そういった身体の変化を感じてトレーニングがどんどん楽しくなって、食べる物や飲む物まで変わりました。大嫌いだった豆乳も、今は好んで飲むようになったくらい(笑)。スタイリストって、ひとつのモノやヒトの魅力をどう惹き出し、伝えていくかを徹底的に追求する、モノへの執着心がなければできない仕事です。トレーニングや柔術も、仕事と同じようにもっともっと成長したいという想いがあるから続けられますし、すでに趣味ではなく“BJJライフ”として、生活の一部になっています。

現在はどれくらいの頻度でトレーニングをされているんでしょうか?

多い時は週4日くらい、頻度はかなり高いですね。どんなに仕事が忙しくても、絶対に時間をつくる!って決めてトレーニングしています。友人や仕事仲間からは、「休んでいる時間あるの?」と聞かれることもありますが、ゆっくりしている時間は全然ないですね(笑)。ゴロゴロ過ごしたいと思うこともありますが、トレーニングすると元気が出るんです。トレーニングウェアや道着を集めたりするのも楽しいですね。

亘つぐみ

スタイリスト。モードとカルチャーをミックスしたスタイリングで定評があり、多くの女優、モデルから支持されている。雑誌、写真集、広告、ビジュアル制作ディレクションなど、多岐にわたる分野で活躍中。多忙な仕事の合間をぬってCARPE DIEMに通う、“BJJ”のとりこになった一人でもある。

柔術が日本のカルチャーとして定着し、柔術家という職業が成り立つようにしたい(石川)

石川さんが感じている、トレーニングと道場運営の共通点はありますか?

石川今は正直、共通点というのは感じられていませんね。とにかく、若い選手を育てて強くする、そして強い組織をつくることだけを考えています。

石川さんは、ただ頭ごなしに規則を守ることを重視するのではなくて、スタッフや生徒の皆さんの個性を活かして、自由に楽しめる環境をつくられています。そんな石川さんのもとに、柔術をしたいという人が集まってきて、その人が地元や別の場所で道場を始めて、柔術がどんどん広がっていく。それがカルペディエムらしさですし、石川さんがディレクターとして特異なところだと思います。

石川僕は、楽しめる人が強くなると思っています。ストイックに、まるで修行のように追求するのではなく、楽しむことが大切だと思っています。楽しむためには、自由も必要ですから。

広がりを続けるカルペディエムですが、今後はどのような活動をされていく予定ですか。

石川世界中から柔術をする人が集まるコミュニティが作られるように、また柔術が日本のカルチャーと言えるように、たくさんの方に柔術を伝え、良い影響が与えられる存在になりたいです。そのためにも皆を強くして、日本一強い道場という地位を確立させなければならないと思っています。何を言っても、まず強くないといけませんから。

そして、職業としての柔術家というものを成立させたいですね。カルペディエム道場には7人のスタッフが在籍しているのですが、皆他の仕事はせず、柔術のレッスンで収入を得ていています。いっぽう多くの格闘家は、昼はバイト、夜は練習という生活を送っている。そうした環境で強くなるのはかなり難しいと思います。

海外では、スポンサーがついている柔術家もたくさんいます。日本でも有名企業のスポンサーがつく柔術家が生まれ、「柔術家です」と自信を持って発信できるような、そんな環境をつくって行きたいですね。

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